研究室5箇条

  • 第1条 暇なら大学に来るべし
  • 第2条 メールが来たらすぐ対処するべし
  • 第3条 雑用は手元に残さず、さっさと終わらせて他人にパスすべし
  • 第4条 等身大の自分をさらけ出すべし
  • 第5条 休みは休むべし

研究をやる上での心構え

  • 研究者へのジョブチェンジ:3年生までと4年生以降では、大学で行う学問が全く変わります。みなさんが知っている通り4年生からは研究をすることになります。これまでは答えが用意されている問いについて覚えたり技能を習得するのが中心でしたが、4年生以降は答えが無い問いに挑むことになります。研究とは世界中の誰にもわからない答えを一生懸命自分で見つける営みですので、答えはもちろん伊藤にもわかりません*1
  • 背骨が大事:研究を始めると伊藤をはじめ誰も頼りにならず、途方にくれるということがしばしばあります。そういう時に自分を救ってくれるのは、自分のこれまで読んだ本から得た知識、親や友達の影響、頑張った体験などによって形作られた信念だと思います。これを背骨と呼ぶことにしましょう*2。背骨が育ってないと自分で物事が判断ができなくなります。研究は決断の連続ですので、それを伊藤に全てまかせると、せっかくの自由な研究活動が奴隷制に変わり不満を溜めることになると思います。背骨が育っていないと感じる人は、とにかく勉強するしかないと思います。勉強の仕方なら伊藤は教えることができます。背骨に関しては以下のページが参考になります。 価値の判断基準が自分の外にある人間は表現者になれない
  • 努力することを楽しみに変える:卒業研究、修士研究は"努力賞"だとよく言われます。人類がまだ見つけていないことを見つけるなんて、なかなか出来ることじゃないので成果がでなくても卒業することはできます。実際努力と成果が結びつくことは必ずしもイコールではありません。努力すること自体を楽しみに変えられたら良いですね。そういう訓練をするところが研究室というところなんだと伊藤は思います。この力はきっとどの分野に出ても通用します。努力と成果に関する関係は内田樹さんのこのエッセイが素晴らしいです。
  • 時間は常にありません:人類平等に24時間が与えられていますが、24時間が長いと感じている人はいないと思います。やりたいことはいっぱいあるけれど、時間はいつもありません。社会人になったらあるかというともっとありません。なにか絞っていくことが必要でしょう。伊藤はすでに研究に狂ってしまっていますので、他のどんな事よりも研究を一生懸命やることが大事ですし、それで幸せです。一方で学生であるみなさんが何を人生の1番におくのかはそれぞれだと思います。学生時代にこれだけは頑張ったという何か一つあるとその後生きる上でも心の拠り所になると思います。4年生・修士の時代に「自分は研究だけは頑張った」と人に言えたら格好よいし、素敵だと伊藤は思います。 バイトはやっても良いです。ただ自分の時間を切り売りしているという事実は認識しておいた方が良いでしょう。個人的には働くのは社会人になってから嫌というほどたっぷりやれますし、時給だって学生の時の数倍に跳ね上がるはずです。個人的には働く後回しでも良いのではと思っています。詳しくは先輩に聞いてみましょう。
  • 時間はうらぎらない:時間をかけた方が、良い成果がでるというのは、世界の真理です。できるだけ研究室にいましょう。というと、ブラック企業のようですが、無駄にいるのは確かに非効率。でも小さな前進でも時間をかけたら成果というのは積分されてかならず大きなものになります。研究をやろうと思ったら無限にやることはあります。机に座るといろいろアイデアがわいてくるものです。
  • ギリギリクリアではなくて全力で:単位を取得する時に、必要以上の勉強をするというは非効率でしょう。九大に入るのにセンター試験で満点を目指すのもばかばかしい試みでしょう。でも研究をする、というのは青天井の戦いなのです。フライング、やりすぎなんてありません。ギリギリクリアで許される世界は残念ながら終わってしまいました。研究する、仕事するというのはここまでやったらいいや、じゃなくて青天井の世界なのです。こういう時には、全力投球でいくのが大人の流儀です。そして、たぶんそっちの方が楽しくていいことがあるはずです。
  • 研究のゴール:研究は何を目的にやるかというと、2つの目的があります。
    ひとつは、自分のため。学生である皆さんにとっては、卒業するためです。研究をしない場合は、伊藤が単位を出しませんので修了できません。(もちろん、就職が決まっていても単位をだしません。僕が意地悪というより、学位を取るために学位論文を書くのは世界の大学のルールです。)伊藤にとっても研究はごはんを食べるため、出世をするために、やらなくていけません。
    もうひとつは、みんなのため。あなたが研究をやることによって、世界全体が少し賢くなります。それが例え0に近くとも、0ではありません。あなたが研究をすることは、それだけで世界に価値をもたらします。ただし重要なことは、研究をしてそれを論文として世界に公表することが必要です。論文を出版することこそが研究の社会的な目的であり、そしてこの研究室の目的です。

各学年の目標

学部生

  • 実験操作の方法を学ぶ
  • リズムの分野の基礎知識を学ぶ
  • 言われた実験を一人でこなせる
  • 失敗を正確に人に伝えることができる。

修士課程の学生

  • 自分で計画をたてて実験が実行できる。
  • 問題が発生した場合は、人に聞いたり考えたりして解決することができる。
  • 必要な知識を自分で調べて勉強することができる。
  • 得た知識を人に説明できる
  • 論文の書き方、プレゼンの仕方を後輩に指導する

博士課程の学生

  • 論文投稿の方法を学ぶ
  • 自分で、おもしろい課題を見つけてこれる
  • 自分の限定された専門分野では世界一知っている状態になる(もちろん伊藤を超えないとだめです)
  • 論文の書き方、プレゼンの仕方を後輩に指導する

研究スケジュール

以下のような感じで研究が進むと、スムーズに修了できます。

B4

  • 4月:研究テーマを決めます。実験操作を覚えます。研究室に慣れるのが大事です。
  • 5月-7月:実験を進めていきます。必要な事は覚えていきます。7月末は中間発表があります。
  • (修士進学する人は)8月院試の勉強をとにかくします。そうで無い人は研究をすすめましょう。
  • 9月-11月:とにかく実験を行います。11月中に実験が終わると嬉しいですね。
  • 12月:論文をどうまとめるか、計画を立てます。解析は一生懸命がんばりましょう。
  • 1月:要旨執筆・論文執筆・発表準備に追われるはずです。
  • 2月−3月:就職・進学にしても、つかの間の休息?終わってない人は頑張ってまとめてください。

M1

  • 4月-7月:授業がとっても忙しいですが、研究を進めるならこの時期です。4年生の指導もしてあげてください。10月の時間生物学会で発表を狙って結果を出しましょう。だいたい7月末頃参加登録締切です。
  • 8月-12月:がんがん研究して下さい。
  • 1月−3月:就活がだんだん忙しくなってきます。。

M2

  • 4月-6月:就職するのであれば、早めに決まると良いですね。6月上旬には中間発表があります。
  • 7月-8月:時間生物学会で発表を狙ってみましょう。修論の方向性を見定めましょう。
  • 9月-11月:実験ラストスパート!
  • 12月:論文執筆・発表準備に追われるはずです。
  • 1月:修論発表があります。
  • 2月−3月:就職・進学にしても、つかの間の休息?終わってない人は頑張ってまとめてください。

D1以降

とにかく研究、論文執筆、を繰り返して下さい!だいたい論文執筆〜論文受理は1年かかります。D1の終わりには投稿していないと卒業があやうくなってきます。この時期には、自分自身でテーマを決められる能力を養えているといいですね。

ボスとのつきあい方

  • みなさんにとって伊藤はボスの側面と共同研究者の側面があります。ボスである伊藤が知っていて学生であるみなさんが知らない知識は惜しみなく授けます。一方で共同研究を伊藤と進めるという観点からは、対等です。科学的におかしいと思うことは厳しくおかしいと指摘しますし、みなさんも伊藤に対してそのように指摘する権利と義務があります。
  • 私自身はボスとトラブルになったことがないので、学生さんとどのように接したら良いかトラブルになったらどうすれば良いかは、想像するほかありません。この意味ではみなさんが伊藤を教育していって自分好みの"ボス"にしていってください。
  • ボスとの関係は「奴隷」か「放置」かどちらでもあんまり良くないと思います。この両極端の途中のどこかに幸福度最大の点があるはずです。この点をやりながら探っていくしか有りませんが、人によってボスとどういう関係でありたいかは多分違うと思います。
  • 各個人の能力は様々ですし、好きなこと嫌いなとことそれぞれ違う面があると思います。伊藤の役割はその人の良いところを最大限生かすように指導して、科学に対してなんらかの貢献をすることだと思っています。従って、全員に同じようには接するよりも、人に合わせて、指導の態度を変えるほうが適切だと感じています。

どれくらい大学に来たら良いのか?

  • 基本的には平日は毎日大学に来てください。休日はゆっくり休みましょう。怠け者の節句働きという格言があります...。
  • 実験操作をならったり、試薬をつくったり、洗い物をしたり、次の実験計画を練ったり、論文を読んだり、セミナーの準備をしたり、何かとやることはあるはずです。
  • 伊藤と話をしていろいろ知識を盗んで下さい。許可無く休んでも構いませんが、共同研究者である伊藤に何かメッセージをください。休む時は、Googleカレンダーに「バイト」「休暇」とか何か書きこんでください。伊藤が話をしたくて待っているのに、「今日は来ないな・・」としょぼんとしていると思います。

呼び名

  • 伊藤は、"伊藤さん"と呼ばれたいと思っています。是非そう呼んで下さい。僕の尊敬する"先生方"も"さん"づけで呼ばれています。
  • 先輩は"さん"づけで敬いましょう。後輩は"くん"か"さん"づけで尊重しましょう(プライベートでどう呼ぶかはおまかせしますが)。

あいさつ

  • あいさつはとっても大事です。声を出すと元気が出ます。騙されたと思ってやってみましょう。
  • 研究室きたら、"おはようございます"、"こんにちは"。帰る時は、"お先に失礼します"です。

雑用

  • 研究室は集団活動ですから、どうしても自分の為にはならない、雑用が発生することがあります。
  • 雑用は自分の手元に残してはいけません。パパッと終わらせてさっさと他人に回してしまいましょう。

コンピュータ

伊藤がMacを使っているのでMacを推奨します。以下のソフトウェアを入れておくと良いです。

  • Microsoft Office
  • Tex
  • Illustrator
  • RとRstduio
  • 英辞朗

メールのやりとりの仕方

  • これまで携帯メールやLINEしか使ってこなかった人は、おっさんのメールの使い方に慣れないといけません。みなさんが今後メールする相手は友達ではなく"おっさん"でしょう。おっさんの流儀に一刻も早く慣れて下さい。
  • 携帯メールと違って、ずっと見ているわけではないので、聞いたらすぐ答えてくれそうな質問は口頭でしましょう。
  • メールはうまく使うと便利です。メモ代わりになるし、検索するのも楽ちんです。重要な約束は口約束よりもメールの方が確実です。
  • 宛名が最初に書かれたメールは絶対返信をしないといけません
    • あいてはどんなささいな内容でも返信が来るかどうかを待っています。
    • 10秒で返せるメールにずるずる返信しないと、"できない人"の烙印が押されます。これは損です。世の中の有能なおっさんは、可能ならすぐ返事。遅くとも半日以内には返せるようにしています。
  • メールはちゃんと振り分けて管理しましょう。広告メールで埋め尽くされないように。gmailならフィルタという機能を使うのがおすすめ。伊藤からのメールはラベルを自動的に付加するとかしてください。

防災マニュアル

  • 伊藤は東京で東日本大震災を体験しました。大学の建物の被害はありませんでしたが、多くの学生さんが帰れず体育館で一夜を過ごすのを目の当たりにしました。
  • email、ネットワークは結構つかえます。
  • 電話はほとんど使えません
  • 防災の観点から、住所、全員の携帯の電話番号、携帯のメールアドレス、e-mailは共有します。住所などは個人情報なので研究室外には出してはいけません。

研究していて心が疲れたら

研究していると、どうしても嫌になってくることがあります。気持ちは研究したくてうずうずしているのに、体が動かない、とか。伊藤が期待していることになかなか答えられなくて、落ち込むとか。

そのようなもやもやとした気持ちは、誰にでも(伊藤にでも)発生します。 そのような気持ちは研究を進める原動力になるのですが、うまくコントロールしないと心の病気になります。 以下に対処方法を記します。

  • 知り合いとご飯を一緒に食べる習慣を作る(飲める人は飲み会がお勧め)
  • スポーツなど自分の趣味に没頭する時間を作る
  • どうしようもなく心の疲れを感じたら、一時的に研究、バイト、授業など全てをストップして一週間くらい寝続けるなどして休みましょう。一週間ぐらい休んだって別に何も起こりません。
  • 大橋にはカウンセリングなど相談できる健康センターがあります。こちら参考に

研究者を目指す場合

  • 博士課程に進学する必要があります。
  • 学術振興会特別研究員になって、お金をもらって生活しましょう(月20万程度!)。こちらのパワポ参考に
  • もちろん他の研究室に移っても構いませんが、とにかく早い段階で論文を書きましょう。京大の篠本先生のアドバイスが僕は好きです。一読を。

研究生活の心構えの参考になりそうなページ

研究生活は、人生で初めてのことですからよくわからないこともあるでしょう。失敗した人たちから学ぶことはあると思います。そのような情報をが載せられたページを紹介します。


*1 頭で考えたらわかるような研究テーマには伊藤は興味を持っていません。例えば文献を読んで考えるような研究スタイルは苦手です。手を動かして、計算し、プログラミングし、生物の振る舞いを調べるのが大事だと思っています。とある知り合いの(すごく賢い)先生が、研究は首から下でやるもんだ、と言ってました。伊藤もそうしたいと思います。
*2 残念ながら芸術情報設計学科の授業は幅が広すぎて背骨が形成されにくい気がする

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